山内裕司

2020年5月12日3 分

<持続化給付金についてまとめてみました>

1.概 要

  売上が前年同月比で50%以上減少している事業者を対象に、中小法人等の法人は200万

  円、フリーランスを含む個人事業者は100万円を上限に、現金を給付するもの。

2.対象者

  ① フリーランスを含む個人事業者

  ② 資本金(又は出資金)10億円未満の普通法人

  ③ 学校法人や社会福祉法人等の公益法人

     但し、宗教法人は対象外

  ④ 協同組合等

  ポイント:医療法人、農業法人、NPO法人など普通法人以外にも幅広い組織も手当されてい

        ます。但し、宗教法人は対象外となっています。

3.要 件

  ① 2019年12月以前に創業していること。(2020年1月以降の創業は対象外)

  ② 個人の場合、「事業収入」で確定申告していること。

     副業であっても、「事業収入」で確定申告しておれば対象になる。

  ③ 「不動産収入」、「給与収入」、「雑所得」が50%以上減少していても、「事業収入」ではな

    いため対象外。

  ポイント:個人の場合、確定申告の「事業収入」を給付の対象としているため、フリーランスの

        方が収入を「雑所得」で確定申告していた場合や事業として営んでいる不動産業の

        方が「不動産収入」で確定申告していた場合は対象外になってしまうのは問題あり。

        確定申告の「事業収入」という所得の分類で括るのではなく、「事業」性のある収入

        かどうかで括るべきだと思います。

4.給付額の算定

  

  前年の総売上(事業収入) - (前年同月比▲50%以上の月分売上) × 12か月

5.給付額の計算例

  ① 原則計算(個人の場合)

     2019年の年間事業収入  :300万円

     2019年4月の月間事業収入:30万円

     2020年4月の月間事業収入:13万円

     

     144万円=300万円 - 13万円 × 12

     144万円 > 100万円(上限額)  

     ∴ 給付額 100万円

  ② 2019年の月間事業収入が不明な場合

    ・通帳への振込額をもとに月間事業収入を算定

    ・2019年の年間事業収入を12か月で除した平均額を2019年の月間事業収入とする

    ポイント:①4月分までの収入で申請すべきか、5月分以降の収入で申請すべきか、有利不

           利判定をすること。

          ②今年の12月分まで申請対象ですので、現在対象外であっても今後対象になる

            可能性あり。

6.申請書類

  確定申告書(控)に税務署の収受印があるもの、又はe-Tax申告の場合は受信通知の添付が要

  件となっています。

  収受印も受信通知もない場合、税務署の窓口で「納税証明書(その2所得金額用)」を取得する

  ことによって代用できます。

  さらに、「納税証明書(その2所得金額用)」の取得もできない場合、申請自体は受け付けていま

  すが、是非の判断に時間を要するとのこと。

7.申請方法

  電子申請が原則。

  確定申告書や売上台帳等の必要書類もPDF化するか、スマホで写真を撮って電子申請。

  但し、電子申請が困難な方については、5月12日から順次全国の各地域に設けた「申請サポ

  ート会場」において、事前予約のうえ申請を受け付けるとのこと。

8.税務の取扱いについて

  持続化給付金は売上を補填する収入の一部であるとして、法人税、所得税の課税対象になりま

  す。

  経理処理としては「雑収入」とします。個人事業主の方は、事業収入の中の雑収入に含めれば

  いいです。

  なお、雇用調整助成金や地方自治体による給付金も課税対象になります。

  

  消費税については、対価性がない収入は課税対象外という扱いですので、持続化給付金は課

  税対象外です。

  なお、全国民一律10万円の現金給付は、非課税と定める特例法が設けられたため、所得税は

  課税されません。