確定申告FAQ

確定申告の時期には幅広い納税者の方が申告します。多くの納税者の方が疑問に思っていることや誤解していることを集めてみました。参考にしてください。

1.確定申告の申告義務について

①土地を譲渡したけど赤字になってしまった場合の申告はどうすればいいの?

②青色申告で事業をしているけど、当然赤字でも申告義務はあるよね?

③収入は年金と給与だけど申告義務はあるの?

 

所得税の場合、赤字で所得がない場合、申告義務はありません。

また、黒字であっても所得控除(社会保険料控除、配偶者控除、扶養控除等)を差引いたところ赤字になった場合も申告義務はありません。

したがって、①、②とも申告義務はありません。

 

③については、公的年金収入が「400万円以下、かつ、その公的年金以外の他の所得金額が20万円以下」の場合は、申告不要の特例があります。

その特例に該当しなくても、所得控除(社会保険料控除、配偶者控除、扶養控除等)を差引いたところ所得が0円(赤字)になった場合も申告義務はありません。

 

②のケースで申告義務がないと申し上げると、「え、そうなの」とビックリされる方がいます。

ただし、青色申告の場合、赤字を3年間に亘って繰越控除することができますし、青色申告特別控除の65万円は申告することによって適用できる制度ですので、現実的には赤字でも申告することになると思います。

 

それでは、青色申告の事業者が毎年赤字で申告しなかった場合、法人のように青色申告を取り消されないのか。

取り消されません。

法人税の取扱いでは2事業年度連続して無申告や期限後申告ですと、青色申告を取り消されますが、所得税にはその規定がないからです。

2.申告不要制度について

年調済給与収入2000万円以下 + 給与・退職所得以外の所得20万円以下

年調済給与収入2000万円以下 + 年調未済給与収入20万円以下

公的年金収入400万円以下 + 公的年金以外の所得20万円以下

 

上記3つのケースはいずれも申告義務はありません。

但し、20万円以下の申告不要制度には注意すべき点があります。

①住民税にはこの申告不要制度がないため、確定申告が不要でも住民税の申告は必要

②妻が配偶者(特別)控除の対象になるかどうかの扶養判定をする場合、夫の所得金額

申告不要の所得も含めて判定しなければならないということです。

Ex. 給与所得985万円+申告不要の不動産所得19万円=1,004万円

 この場合、夫の所得が1,000万円を超えるため配偶者(特別)控除はできません。

③妻の給与が103万円であれは夫の配偶者控除ができます。

その妻に年調未済の給与が20万円あったとしても、妻自身は申告不要制度により申告義務はありません。

しかし、夫の配偶者控除になるかどうかの扶養判定にはその20万円も含めて判定しますので、配偶者控除ができなくなります。(但し、配偶者特別控除はできます)

④子供の扶養判定でも同じです。

子供に年調済給与収入103万円と年調未済給与収入20万円があった場合、子供自身は申告義務はありませんが、お父さんの控除対象の扶養家族から外れます。

3.扶養・配偶者控除の判定について

①妻や子供が亡くなった場合、その妻や子供の配偶者・扶養控除はできますか?

②逆に、父親が亡くなった場合、扶養していた妻や子供の配偶者・扶養控除はできますか?

  

扶養判定は、その年の12月31日の現況によって判定します。

しかし、①の場合は、その死亡時の現況で判定しますので配偶者・扶養控除できます。

②の場合も父親の死亡時の現況で判定しますので、年末調整か準確定申告で配偶者・扶養控除できます。

4.還付申告について

①医療費控除の還付申告は3月15日までですか?

②去年の医療費控除も申告できるのですか?

③去年確定申告をしましたが、住宅借入金等特別控除の申告を含めるのを忘れてしま

いました。申告し直すことができますか?

  

還付申告とは、医療費控除や住宅借入金等特別控除の還付申告のみを指しません。

確定申告による納税額が前もって納税していた予定納税額より少ない場合は、その

差額が還付になります。

われわれ税理士も報酬から10.21%源泉徴収されます。確定申告による納税額より源泉徴収税額のほうが多い場合は、その差額が還付になります。

これらもすべて還付申告といいます。

前置きが長くなりましたが、還付申告は翌年1月1日から5年間できます。

2月16日から3月15日間ではありません。

但し、過去に確定(還付)申告を提出した人は1月1日から5年間ではなく、申告書を提出した日から5年間になり、更正の請求という手続きで還付されます。

2月16日から3月15日間に申告しなければいけない人は、納税する人のみです。

 

①の回答としては、1月1日から5年間申告できますので3月15日までではありません。

②の回答としては、過去5年分申告できます。令和2年末までに申告されるのでしたら、平成27年分まで遡ることができます。

③についてですが、住宅借入金等特別控除は当初申告要件が適用されるため、申告し直すことはできません。

つまり、当初の申告に住宅借入金控除を含めなかったのは、申告者の意思表示に基づくものであり、誤って含めなかったとは解釈されないため、申告し直すことができないわけです。

但し、嘆願書を提出することによって救われる可能性はあります。

5.海外からでも確定申告ができます

今は便利になりました。

海外からでもe-Taxで確定申告ができます。

但し、海外から申告できる人は海外居住が1年未満の居住者のみです。

また、市役所に転出届を提出しますと、マイナンバーカードが失効しますのでe-Taxによる申告はできません。

1年以上海外に居住(又は居住予定)の人は非居住者となります。

非居住者は、出国時までに確定申告をしなければなりません。

但し、納税管理人を選任すれば、確定申告の時期(2/16~3/15)に申告できます。

ご自身で海外からe-Taxで申告ができたとしても、出国後による申告となり「期限後申告」扱いとなります。

6.口座天引

扶養している妻の年金から介護保険料が天引きされているのですが、私(夫)の社会保険料控除に含めることができますか?

扶養している妻の口座から生命保険料が天引きされているのですが、私(夫)の生命保険料控除に含めることができますか?

  

たとえ、扶養している妻であっても妻の資金(口座)から天引きされている場合は妻が支払ったものとみなされますので、①、②とも夫の控除に含めることはできません。

7.医療費控除

①共稼ぎの妻の医療費を私(夫)の医療費控除に含めてもいいですか?

②補聴器は医療費控除の対象になりますか?

③介護保険は医療費控除の対象になりますか?

  

基本的な考えは、扶養の有無に関係なく、親族の医療費も含めて、医療費を支払った人のみが申告できます。

①但し、共稼ぎ夫婦の場合、生活を一(日常の生活資金を共にしている)にしておれば夫婦の医療費はどちらか一方、あるいはそれぞれで申告することができます。

②医師等による診療や治療を受けるために直接必要な補聴器であれば医療費控除の対象になりますが、耳が遠くて聞き取りにくいからでは医療費控除の対象にはなりません。

③介護保険制度の下で提供される施設・居宅サービス等の対価についての医療費控除は、一般的には施設が発行する領収書に医療費控除の金額が記載されています。

不明な場合は、ケアマネージャーが作成するケアプラン(居宅サービス計画や介護予防サービス計画)に医療系の介護サービスと医療系以外の介護サービスとが記載されています。

ケアプランに医療系のサービス名が記載されておれば医療費控除の対象になります。

 

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