top of page
山内裕司

<宗教法人へ寄付する場合の税務について>

檀家さんのなかには菩提寺へ相続財産等を寄付したいけれども、税務の取扱いがどうなるの

か心配されている方もいるのではないでしょうか。

ここではその税務の取扱いを説明します。


1.生前寄付

2.遺言による寄付(遺贈)

3.相続人が受取った相続財産の寄付


① 寄附財産が現預金等の場合

   公益を目的とする事業を行う菩提寺(公益法人)に対して行う上記3形態の寄付は、檀家及

  び菩提寺とも原則課税されることはありません。


② 寄附財産が不動産(土地、建物等)の場合

   土地を菩提寺に寄付した場合はどうでしょうか。土地を寄付した檀家には土地の値上がり益

  に対して譲渡所得税が課税されます。

   菩提寺には原則課税されません。

   2のケースでは、被相続人に譲渡所得税が課税されますので、準確定申告をしなければな

  りません。

   但し、その寄付が菩提寺の公益の増進に著しく寄与することなど一定の要件を満たすものと

  して国税庁長官の承認を受けたときは譲渡所得税を非課税とする制度があります。


③ 寄附全般について

   寄附をした者の親族その他これらの者と特別の関係がある者の贈与税、相続税の負担が

  不当に減少する結果となると認められるときは、菩提寺を個人とみなし、贈与税、相続税が課

 税されます。

  3のケースで、相続税の申告期限までに寄附をした場合、寄附財産に対する相続税が課税さ

 れないメリットがあります。

  残念ながら、菩提寺のような宗教法人に対する寄附は所得税の寄付金控除の対象にはなり

 ません。

  土地等不動産を寄附した場合、譲渡所得税を非課税とする制度があるとはいえ、その手続き

 は煩雑であり、できれば避けたいものです。

最新記事

すべて表示

<税 務 調 査>

税務調査の連絡が来た!! 動揺しているあなた。不安なあなた。 税務調査に強い山内裕司税理士事務所へ連絡してください。 税務職員の主張が正しいから仕方ないと思っていませんか。 税務職員の主張に従うしかないと思っていませんか。...

待ったなしの老後と相続

<第15回 一次相続・二次相続対策> 1.父親が亡くなって次の母親が亡くなるまで18年あるというデータがあります。 そこで、一次相続では相続税対策や法定相続分による遺産分割を前面に出すのではなく、 18年間の母親の生活設計を優先させた対策を考えるべきです。...

待ったなしの老後と相続

<第14回 不動産対策> この不動産対策は、相続税が課税される人にとっての対策です。 不動産対策はさまざまありますがその一部をご紹介します。 1.賃貸アパートを建てる 賃貸アパートを建てると土地は公示価額の8割程度、建物は建築価額の5~6割程度 に評価額が下がります。...

Commentaires


bottom of page